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2017年6月15日木曜日

野際陽子さん

野際陽子さんが亡くなられました。女優としてのお仕事はあちこちに詳報が出るでしょうから、声のお仕事について少し。

野際さんといえば『エイリアン』初放映時(80年フジ)のシガニー・ウィバーが有名ですが、これが初吹替というわけではありません。

もともとNHKのアナウンサー出身ですから、基本的な発声は鍛えられていたはず。むしろ、最初は実写のお芝居のほうが不安というか未知数だったかもしれません。だからという理由かどうかは定かではありませんが、転身後、留学先のパリから戻ってきてすぐに声のお仕事がスタートします。『0011ナポレオン・ソロ』のスピンオフ・シリーズ『0022アンクルの女』(67年日テレ)の主役、ステファニー・パワーズ演ずるエイプリル・ダンサーの声で、相方マークは広川太一郎氏。

あと日曜洋画劇場『ライオン』(62年公開77年OA)では、モデル出身のフランス人女優キャプシーヌの声を担当しています。ちなみに主役のウィリアム・ホールデン(この吹替版では近藤洋介氏)は『0022アンクルの女』のステファニー・パワーズともキャプシーヌともつきあっていたことで知られています。

いずれにしても60年代ファッションを体現するかのような女優であり、パリ帰りで「日本で初めてミニスカートを穿いた女性」といわれた野際さんが抜擢されたのは、わかるような気がします。

『エイリアン』のあとは同じフジの『ブラックホール』(84年OA)で、女性博士役のイヴェット・ミミューの声を担当されていました。80〜90年代のフジテレビは、とくに番宣絡みでなくとも、こうした実写系の役者さんの起用に熱心でした(下条アトム氏のエディ・マーフィーとか村野武範氏のブルース・ウィリスとか)。

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