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2016年1月30日土曜日

真田丸と猿飛佐助

大河ドラマの『真田丸』面白いですね。

僕が真田幸村を最初に知ったのは、昭和37年刊の集英社「世界名作絵物語全集」の中の『猿飛佐助』でした。作画は夢野梵天。定価190円。

当時は時代小説や、テレビ『隠密剣士』を皮切りに空前の忍者ブームで、マンガでも白土三平の幾つかの作品、そして少年サンデー掲載の横山光輝『伊賀の影丸』が大人気でした。

ニューメディアだった「週刊少年誌」掲載で、スピーディーかつ殺人シーンなども描かれるリアルな “ストーリーマンガ” の『影丸』と違い、夢野版『猿飛佐助』のほうは、戦前からの児童漫画の流れを受け継ぐほのぼのとした作風で、内容も講談や立川文庫の真田十勇士の影響下にありました。

にもかかわらず、夢野梵天先生の驚くほど見やすく達者な絵のおかげで、僕はこの作品が大好きでした。

有名な杉浦茂版『猿飛佐助』は既に描かれていましたが、僕が杉浦版に接するのはもう少しあとのことでした。扉の前の白ページには、幼稚園児だった僕の忍者の落書きが残っています。

こうした「全集企画」のマンガ作品はあまり詳しい資料が残ってないのですが、ずいぶん僕はその恩恵にあずかりました。同じシリーズで『太閤記』(作画:東村登)なども読みました。また、東映動画の漫画化作品というのもけっこうあった気がします。

いずれも週刊誌時代の波には乗りきれなかった、しかし画家出身で絵は達者な人達が描いていました。夢野梵天のコマ運びや構図には、このページの79、80のように映画的なカッティングやカメラワークもあり、モダンなセンスがありました。

歴史漫画や科学漫画・伝記漫画などとあわせ、ちゃんとした研究書が出ないものでしょうかね。

ユリイカ 総特集 江口寿史

既に発売中ですが「ユリイカ 総特集 江口寿史」に僕も寄稿しています。

今回はマンガでなくて文章原稿。他の方の寄稿やイラストや対談も面白いです。

2016年1月18日月曜日

プリニウス第25回


『プリニウス』第25回掲載の新潮45 2月号本日発売です。

プリニウスはスタビアエで保養中に重要な文献を発見、一方ローマでは不穏な動きが……

2016年1月14日木曜日

1980年代サブカルチャー再訪シンポジウム

1/17(日)早稲田大学でかようなシンポジウムに出ます。もっともらしい演題がついていますが、80年代の自分自身のマンガ活動を軸に語る予定です。興味のある方はおいでください。
サブカルとオタクを対立項みたいな形で煽るのは昔からくだらんことだと思っているのですが、それは自分が秋田書店→白泉社→マガジンハウス→SFマガジン→ガロ→少年サンデー→テレビブロス→パト脚本→文春・新潮という場所を往き来してきた、ある意味節操のない放浪のマンガ家だったからですね。
自分ではやりたいことを優先してたらごく自然にそうなっていたのですが、しかし周りの人から見ればそういう捉え所の無い仕事のやり方は異端だったらしく、行く先々では常に外様扱いされたり、こちらもAWAY感を感じたりもしていました。そういう話をすることになると思います。