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2021年5月23日日曜日

リ・アルティジャーニ最終回「時は流れて…」


ヤマザキマリ+とり・みき『リ・アルティジャーニ』最終回が載った「芸術新潮」6月号が発売されました。フィレンツェのブランカッチ礼拝堂で語る老いたボッティチェリと弟子のフィリピーノの前に現れる一人の男。

その男とボッティチェリは、連載当初には同じヴェロッキオ工房の新弟子と兄弟子でした。老境に入りその立場もずいぶん変化した二人がかわす言葉とは......?

『リ・アルティジャーニ』第1回が載ったのは2016年1月号。フィレンツェのもっともよく見る風景から始まった本作は、同じフィレンツェの夕景で終わります。


『リ・アルティジャーニ』は『プリニウス』同様、ヤマザキマリさんとの連名の合作になっていますが、後者と違い、こちらのストーリーやセリフには、とりはほとんどかかわっていません。完全にヤマザキさんの作品で、僕は絵のお手伝いをしていただけなので、本当は合作のクレジットはおこがましい。チーフアシくらいの立場です。

古代ローマ同様、ルネサンスに関しても自分は通り一遍の知識しか持っていなかったので、描きながら少しずつ勉強していきました。ヤマザキさんは元々両方の素養があるからいいですけど、僕にとっては二本とも新分野。実作業以上に、そのバックグラウンドの把握や資料調べに時間を取られました。知れば知るほど面白いので苦痛ではないのですが、大変なのは大変。

しかしなんで29話で終わりなんだ。30話だときりがいいのに......などと思ってしまうところが、そういう細かいことを気にしない大作家と凡人の違いです。

ヤマザキさん、足かけ7年お疲れ様でした。よい仕事になりました。もう一本もそろそろラストスパート態勢ですが、頑張りましょう。

2021年5月17日月曜日

支笏湖ブルーキャンプ開催延期のお知らせ

6/12(土)にとりマリ&エゴサーチャーズが出演を予定しておりました「第2回 SHIKOTSUKO BLUE CAMP」は新型コロナウイルス感染拡大にともない開催延期が決定しました。詳しくはリンク先のオフィシャルサイトをご参照ください。


追記:「第2回 SHIKOTSUKO BLUE CAMP」は正式に中止が決定致しました。

2021年5月8日土曜日

プリニウス第11巻 巻末作者対談

ただいま単行本編集作業中の『プリニウス』第11巻ですが、本日巻末作者対談を行いました。前回に引き続きマスク着用。

あわせて、いつものように装幀のセキネシンイチさんも交えてカバーや帯の図案も決定。いよいよ巻数も残り少なくなってきましたが、果たしてまだ帯に登場していない、あの主要登場人物の出番は今回あるのか?

2021年5月7日金曜日

プリニウス第77話「ポンポニウス」

「新潮」6月号発売されました。ヤマザキマリ+とり・みき『プリニウス』は第77話「ゲルマニア」。恋に破れたプリニウスは入隊しゲルマニアへ。今回は『プリニウス』では珍しい合戦シーンが描かれます。


古代ローマを舞台にしたマンガは以前から幾つかありましたが、その多くが戦記物か剣闘士=グラディエイターを題材にしたものでした。だからこそヤマザキマリさんが『テルマエ・ロマエ』でお風呂をテーマにした古代ローマ物を描き、しかも大ヒットしたのは画期的だったわけです。

同様に『プリニウス』でも戦闘シーンや剣闘シーンは「このマンガでは、まあ、描かなくてもいいか」と思っていたのですが(そっちはそれメインの面白い作品が他に幾つもありますからね)、若きプリニウスは騎兵隊長としてゲルマニアで10年間軍役に就いていたということで、魔が射してついに1回だけ描いてしまいました。いやあ面倒臭かった。毎回こういうシーンを描いているマンガ家さん達はえらい、すごい……。ただバトルを描けばいいというわけではなく、武具の形状や質感にもこだわりを持って描き分けてらっしゃるでしょうし、戦い方のアイデアもそのつど考えねばならない、敬意を表します。

※追記:「新潮」掲載時のタイトルは「ゲルマニア」でしたが単行本では「ポンポニウス」に改題されました。