since2008. 2017年からはtorimiki.comにUPしたBLOG, NEW RELEASE & BAND情報を時間差で時系列順にアーカイヴしています

2019年5月7日火曜日

プリニウス第58回「コルブロ」

「新潮」6月号発売されました。

写真はwikipediaより
『プリニウス』は第58話「コルブロ」。コリントスへ巡幸中のネロは自分の暗殺疑惑の容疑者として、アルメニア、パルティアの紛争を平定した名将コルブロを呼びつけます。

アルメニアやパルティアへの長年にわたるローマ軍の遠征は、現地のミトラス教がローマ軍人の間で流行するきっかけにもなり、前回のエピソードとも無縁ではありません。

ネロが赴くコリントスはペロポネソス半島とギリシア本土を繋ぐ結節点にあり、古代より軍事・交易の要衝として栄えました。街を見下ろすアクロポリスにはアフロディーテ神殿があり、そこに仕える多くの巫女兼遊女がいたと伝えられています(巫女≒遊女は日本の古代や中世でもそうですね)。写真はとり撮影。


コリントスでは古代ギリシア四大競技会のひとつイストミア大祭が行われました(開催は2年に一度、古代オリンピックの前後の年)が、共和制ローマ時代に街は一度ローマ軍との攻防で破壊されます。コリントスを再建したのはカエサルでした。

この地峡に運河を通せばペロポネソス半島を大回りせずにすむ、とは昔から誰もが考えたようで、ネロもまたその工事計画に着手しますが途中で挫折してしまいます。最終的に運河が開通したのは1893年のことでした。こちらもとり撮影。高所恐怖症なので怖い怖い。

2019年5月1日水曜日

改元

昭和最後の日は何をしていたかよく憶えていない、というツイートを幾つか見かけたが、私はよく憶えている。ビデオを録っていた。数日前から。

テレビ特番による慶賀同調圧力を批判する向きもあるが(私自身もへそ曲がりで作画資料やネタ探し以外にツッコミ目的で録画してる部分もあるので、その批判自体には同意)、今回と違い、崩御にともなう改元だった前回は歌舞音曲CMすら自粛モードだったので、あのときの一斉右へ倣え的な空気、そして空気だけでなくテレビ全体が実際にそうなってしまって閉塞感の強かった状況に比べれば、個人的には今回はまだ自由な雰囲気だと思った。まあ慶事と弔事の違いが大きいのだろうが、民放は通常番組もけっこうやっていたし、各局の特番もバラエティ的なノリ(だからよいというわけでもないのは後述)だったし、あのフジの皇室ドラマでさえ意外と踏み込んでいたし。

なにせ、あらためて録りためたビデオを眺めて思い出したが、80年代には「国鉄最後の日」ですら各局一日がかりの特番を組んでいたのであって、テレビのこういうお祭騒ぎ体質は今に始まったことではない。毎年やってくる年末年始でさえ飽きずにあれだけ特番を組む業界なのだ。いってみればテレビは改元だろうが他のイベントであろうが何でもいいのだ。賛否はともかく改元は数十年に一度の大きな国家行事には違いなく、それにしては民放は特番枠が少ないな、その特番もあまり面白くないし突っこんだ取材もないな、ひいてはテレビ業界も本当に衰弱してるのだな、というのが二つ前の元号から録画を続けてきた、特番好きの人間の正直な印象だった。

NHKはさすがに朝から晩まで平成や皇室関連の番組で編成されていたが、以前と違うのは今は「スタジオに人が多すぎる」のと「報道枠ですら下手な民放のバラエティ番組化してる」ということだろうか。あんたら見せる方法がバラエティしかないんかい、とはいっておきたい。呼ばれたゲストも慶事では結局無難な褒め事しかいわないのだし。スタジオ部分のない、映像の編集だけで見せる平成史や皇室の問題を掘り下げる番組をもっと見たかった。唯一NHKスペシャル「日本人と天皇」だけは見応えがあったが。

さて、前回はCM自粛期間があったがゆえに平成最初のCMが気になった。今みたいに全録機のない時代なのであくまで個人観測で正確な裏はとれていないが、私が改元後に最初に目にしたのは「風邪に改源」で、なんだか幻か悪い冗談のようだったのを覚えている。

今回はどの民放局もふつうにCMを挟みつつ改元を迎えたので、以前ほど注意していたわけではない。それでもフジとテレ東では「R-1」が令和最初のCMであったことは確認した。まあこれはだいぶ前から代理店絡みで周到に準備されたことなのだろう。なんにしても前回に引き続きダジャレでの幕開けとなったわけである。

ところで私のこれらのビデオテープ、死んだ後どこか引き取り手はあるんでしょうかね(ちなみにいちばん最初の事件事故録画ビデオのタイトルは「山口組vs一和会/84年」です)。

2019年4月27日土曜日

4/26 ヤマザキ春のマリまつり2019~ヤマザキマリ世界の旅〜

撮影:原田香
ヨイフロの日を記念して毎年4月26日に行っておりますヤマザキ春のマリまつり、今回は今年1月に亡くなった兼高かおるさんに想いを馳せ「ヤマザキマリ世界の旅」と題して世界中を旅するような選曲でお届けしました。バンドメンバーもこういう格好です。

幼少期のヤマザキさんが兼高さんの番組『兼高かおる世界の旅』(TBS 1959〜1990年)を見て世界への夢を膨らませていったことはエッセイにも再三書かれていますが、兼高さんの晩年には念願の対面を果たし意気投合されたとのこと。ステージでは兼高さんからいただいたというパンアメリカン航空のバッグの披露もありました。マリさんのMCも終始兼高さんが憑依したまま進行、ときどき人格がこんがらがっているのが面白かった。


そういうわけでマリさんのマルチリンガルを活かし、イギリス、ポルトガル、フランス、イタリア、トルコ、メキシコ、ブラジル、ハワイ、台湾にちなんだ曲に加え、マリさんがイタリアへ旅だったときにずっと聴いていたという山下達郎さんの「BIG WAVE」も(まったく偶然にもこれに符合するように望外のお花を賜り恐縮至極)。まあ曲がバラエティに富みすぎて演奏は大変だったんですけど、お客様には楽しんでいただけたようでよかったです。満員のご来場ありがとうございました。

月見ル自慢の料理もテーマにそってごらんの通り。今回も美味しかった!


出演:とりマリ&エゴサーチャーズ=ヤマザキマリ(vo) とり・みき(gt) 葛岡みち(key) 伊藤健太(ba) サンコンJr.(dr) 

日時:4/26(金) 開場18:00 開演19:00
会場:東京 青山月見ル君想フ

2019年4月25日木曜日

リ・アルティジャーニ第18回

「芸術新潮」5月号発売されました。特集は東寺。
ヤマザキマリ+とり・みきの『リ・アルティジャーニ』は第18回。今回から舞台はヴェネツィアに移り、ジョヴァンニ・ベッリーニが登場します。

フィレンツェやナポリ同様ヴェネツィアにも連載開始前に取材に行きました。作画参考用にたくさんの写真を撮りましたが、本作とはあまり関係なさそうなものを今日はご紹介(既にtwitterやinstagramには上げましたが)。

 Librería Acqua Alta、散策中に偶然見つけた本屋さんですが一部では有名らしい。実際のアクア・アルタ(異常潮位時)のときはどうするのか。確かに店内のゴンドラには本が入っていましたが、これ一艘では足りるはずもない。現に店頭に積まれた古書は水に浸かった物を干してるうちに固まって壁化してるような印象でした。
こちらは非常口……と書いてあったけど、この街ではこちらがむしろ正門かな。日本のマンガもちらほら。知ってる人の作品も。

 そもそも陸路のほうの入口にいた猫が可愛くて店に入ったようなものですが(まさに招き猫)入ってみると飼い主の店主によく似ていた。ツイート時にあらためてWEB記事を見たら現在では代替わりしてこの方の息子さんが店主になっているらしい。

これも関係ないけど、あるギャラリーのショーウィンドウにあったレディ・オスカルの絵。日本人観光客目当て?


GQ版 遠くへいきたい第30回

GQ版 とり・みきの『遠くへいきたい』第30回UPしました。

子供の頃から駅やデパ地下のミキサーの生ジューススタンドが好きでした。といっても生まれ育った町にはそういうものはなく、熊本市内まで行かないと飲めなかったので、よけいに。いまでも見かけるとつい試してしまいます。

2019年4月23日火曜日

サン・ジョルディの日

4/23はサン・ジョルディの日。竜退治をした聖ゲオルギオス(ジョージ=ジョルジョ=ジョルディ)の聖祝日で、ゆえに最近のファンタジー界隈ではドラゴンの日とも呼ばれています。

またこの日は「本の日」でもあります。ヴァレンタインデーを菓子業界がチョコレートの日にしたように、前世紀の終わり頃から日本の書店業界が積極的にこの日を「本をプレゼントする日」として推しまくっているのはご案内の通り。

この伝説を下敷きにしたのがとり・みき+田北鑑生の『ラスト・ブックマン』。前段の『ダイホンヤ』とともに電書化されていますのでどうぞこの機会に。

写真は昨年取材で訪ねたクレタ島の聖ゲオルギオス修道院にあったレリーフ。

聖ゲオルギオス(ジョージ=ジョルジョ=ジョルディ)の竜退治は受胎告知とともにキリスト教絵画の重要なモチーフで多くの画家によって描かれています。左はラファエロ、右は『リ・アルティジャーニ』にも登場した遠近法の鬼ウッチェッロによるもの。

 理数学的な造型を追求したウッチェッロ、見ると明らかに人間よりドラゴンのほうに気合いが入っています。他の画家は意外と竜は小さいのですが彼のは大きいし造型も独特。ちなみにウッチェッロとは「鳥」の意で我々作者コンビに置けるとりのスタンスと共通してるかもしれません(ヤマザキさんのイラストは連載開始前の日経ビジネスより)。



2019年4月12日金曜日

フリースタイル42


「フリースタイル42」が発売されました。矢作俊彦さんによる筒井康隆さんへのインタビューがなんといっても目玉ですが、とり・みきの『ANYWHERE BUT HERE(遠くへいきたい)』もいつものようにGQ版とは別個に2本掲載されております。


2019年4月11日木曜日

GQ版 遠くへいきたい第29回

GQ版 とり・みきの『遠くへいきたい』第29回 更新されました。

僕自身の子供の頃から自分の子供まで、夜店ですくった金魚が家でひと月以上長生きしたという験しはないのですが、『プリニウス』の相方ヤマザキさんが5年前の帰国中のお祭でゲットした金魚は、いまだ彼女の日本の仕事場で存命しており、しかも金魚というよりフナの成魚くらい大きくなっていて訪問客の度肝を抜いています(日本を離れているときは自動餌やり機のお世話になっている)。今回のアイデアはそこから思いつきました。