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2020年3月2日月曜日

スコット・マクラウド『マンガ学』完全新訳版の帯文担当


復刊ドットコムよりスコット・マクラウド『マンガ学』完全新訳版(椎名ゆかり:訳/小田切博:監修/印口崇:編集/夏目房之介:解説)が届きました。とり・みきが長すぎるにもほどがある帯文を書いております。

2020年2月25日火曜日

リ・アルティジャーニ第23回「百花繚乱のヴェネツィア」

本日2/25は「芸術新潮」3月号の発売日です。特集は美人画。江口寿史さんと池永康晟さんの対談も。

ヤマザキマリ+とり・みき『リ・アルティジャーニ』は第23回「百花繚乱のヴェネツィア」。一コマ目はちょうどいまカーニヴァルの祝祭が中止となってしまったサン・マルコ広場から始まります。


こないだの『プリニウス』ではレバノンを舞台に描いたら直後にゴーン氏がレバノンに脱出したというニュースが飛び込んできましたが、色々現実とシンクロしてしまうのはヤマザキさんの引きが強いせいでしょうか。現在のヴェネツィアは新型コロナ禍にありますが、中世期はペスト、そしてまもなく放送のあるこの映画ではコレラに見舞われてきました。




ヴェネツィア編も大詰めで最後にはあの人物が久方ぶりに登場します。

2020年2月16日日曜日

工事現場看板の「オジギビト」、実は名前があった(朝日新聞GLOBE+)

☞工事現場看板の「オジギビト」、実は名前があった(朝日新聞GLOBE+)

記事で拙著『街角のオジギビト』にも言及していただいておりますが、つくし工房さんには『愛のさかあがり』連載中に取材にうかがいました。


複数の看板会社やゼネコンを回ったのですが、中にはあからさまに胡散臭く思われたところもあり、さる取材先では女性社長から「平凡パンチ、見せていただきましたけどなんですかこれは。弊社としてもこの取材をお受けするかどうか迷いました。ちゃんとした所なんですか?」などと叱責気味に言われ、その直後応接フロアの雑誌棚に「クロワッサン」を発見し「コレを出している会社なんですが......」と恐る恐る進言したところ「まあ!これは愛読しております。こんないい雑誌を出している会社がなんでまたこのようなはしたない雑誌を」というようなこともありました。結局取材は叶ったのでよかったんですけど。


まいったのは多くの会社が「うちが元祖です」と主張されたところ(最終的にだいたいの流れはつかんだのですが、拙著でも特定というか断言まではしておりません)。

つくし工房さんのご対応は当時も大変丁寧で、こちらも助かったのを覚えています。オジギビト業界内においては、記事にもあるように古い外国アニメのキャラを意識した(ディズニーというよりフライシャーっぽいですけどね)オリジナル性の高いカマボコ目と指使いで高いシェア率を誇っています。


そういうわけで我が仕事部屋にもつくし工房製の鉄板メラミン看板がいまだに掲げられております。

2020年2月15日土曜日

坂口芳貞さん

かつての各局洋画劇場の配役には局ごとにそれぞれ個性がありテレ朝「日曜洋画劇場」は開始以来(開始当時は「土曜映画劇場」)伝統的に新劇畑の方を好む傾向があった。登板の多かった坂口芳貞さんは文学座のご出身。いわゆる「重たい声」で威厳のある役や中年以上の黒人俳優の担当が多かったが、中でもモーガン・フリーマンは氏の持ち役の代表格で、多くの作品を担当された。

残念ながら、直接お目にかかってお話をうかがうことはかなわぬままに。個人的にはギャラクティカのアダマ艦長も忘れがたい。

2020年2月14日金曜日

プリニウス第65回「ガルバ」がくらげバンチで公開

ヤマザキマリ+とり・みき『プリニウス』第65話「ガルバ」がくらげバンチにて無料公開となりました。
壊れていくネロ、ティゲリヌスの奸臣ぶり、ヒスパニア・タラコネンシスの陽光をご堪能ください。

2020年2月7日金曜日

プリニウス第66回「オト」

「新潮」3月号本日発売。

ヤマザキマリ+とり・みき『プリニウス』は第66話「オト」。タラコネンシス総督のガルバの蜂起にルシタニア総督のオトも呼応します。実はオトとネロにはかつてポッパエアをめぐる因縁がありました。

2020年2月6日木曜日

カーク・ダグラス

亡くなったカーク・ダグラスはその多くを故 宮部昭夫さんが吹き替えています。

宮部さんはスティーヴ・マックィーンの声もテレビシリーズ「拳銃無宿」の頃から担当されましたが、ダグラスからは威厳、マックィーンからは孤独が感じられました。そうご本人に申し上げたら「別段変えているつもりはないんですけどね」と。技巧ではなくごく自然にそれぞれのオリジナル俳優の雰囲気を醸し出していた、ということでしょうか。

とはいえ宮部ダグラスの音源が収録されたディスクってそんなに多くはないんですよねえ……。『OK牧場の決斗』もテレ東版(久松保夫+宮部昭夫)で見たい。

2020年1月27日月曜日

リ・アルティジャーニ第22回「それぞれの理想」


「芸術新潮」2月号発売。

ヤマザキマリ+とり・みき『リ・アルティジャーニ』は第22回「それぞれの理想」。ヴェネツィアで油彩技法に試行錯誤するベッリーニに義兄マンテーニャは最新の銅板印刷絵画の可能性を説きます。

2020年1月26日日曜日

テレビブロス休刊

映画秘宝に続きテレビブロス休刊の報(既に番組欄のないテレビ誌という不思議なスタンスになっており、今後もWEB版は出るらしいですが)。

同誌では9コママンガ『遠くへいきたい』の連載を88年から2003年まで15年の長きにわたってやらせてもらいました。1ページの作品ですが、ある意味僕のマンガの核となるものです。

僕の場合「是非ともこれが描きたい!」という創作のパッションが小さいので、いつも逆算から連載の内容を決めることが多いのですが、この9コマというスタイルも番組欄の扉の掲載スペースがほぼ正方形だったことから決定されたものでした。それがいつのまにか自分にとってもっとも息の長いシリーズになろうとは(単行本商売にとってはおそろしく効率の悪い仕事ではありますが)

2020年1月23日木曜日

容赦のない人

ときどき「理数系ギャグ」という言葉で紹介されることがあるが、これは自分で名乗ったわけではない。メディアで初めて拙作をこの言葉で呼んだのはまついなつきである。

他者との相違点を簡潔に言い切り、一見褒め言葉のように見えて、しかし弱点もしっかり含まれているという意味で、この呼称は容赦なく批評的だ。そこも含めて、というか、であればこそ僕はこの形容を自分でも(主に自虐的な文脈で)たまに使用した。

こういう視点こそがまついなつきの真骨頂だった。最初の単行本が出た頃のまついの『プリニウス』評も的確で、自分の好みとは違う要素もはっきり提示しつつ、それでもこの作品の意図するところと作者二人の執筆時のスタンスや気持ちを正確に見抜いていた。「ヤマザキマリさんも、とり・みきさんもプリニウスだ」

面と向かっては2年に1度会うか会うないかという間柄だったが、80年代からのよき友人だった。彼女は「ねえさん」という名で皆から慕われていた。良きところも困ったところも常に包括的に人間を見ていたし、情熱の人ながらも他者のフィールドには安易に踏み込まない節度があった。めったに会わずとも自分が気づかないことまでなんでも見抜かれてる気がした。

おたくの集まりにありがちなだらだら居残るのが嫌いで、いつも真っ先に帰っていた。だから、つまり今回もそういうことなのだろう。めったにどころかもう会えなくなったけど、今後もなんでも見抜かれているのに違いない。容赦なく、優しく。



2020年1月22日水曜日

ガンマンの死

宍戸錠さんは一挙手一投足が絵になる本当にかっこいい映画スターだった。子供の頃、生まれ育った田舎では日活と東宝作品をかける小屋が同じで、自分は特撮作品やクレージーを、父親は日活……というか主に吉永小百合が目当てで通っていたのだが、むりやりその2社混在のプログラムで見ることができたのは今から思えば贅沢だったかもしれない(その小屋は小4の時に火事で全焼してしまった)。その後の色々な錠さんを見る前にとりあえず日活が初体験だったというのも、よかった。

映画的教養を言語で「語れる」人でもあった。一件強面っぽいのだが、TVで見る錠さんの話し言葉は丁寧で気遣いにあふれていた。高校の時に一週間ほど上京した際に「カリキュラマシーン」を日テレで見て「なんで田舎ではこんな面白い番組をネットしてくれていないのだ」と地団駄踏んだ(ゲバゲバは放送されていたのだが)。芸人ではないが優れたコメディアンでもあったと思う。『ハレンチ学園』や「スター・ウルフ」や『ブラックジャック/瞳の中の訪問者』などへの出演では「こっち側に偏見のない人だ」という想いを強くした。

吹替のお仕事も忘れてはならない。TVシリーズ『警部マクロード』のデニス・ウィーヴァーのお声がいちばん有名だが『戦略大作戦』のドナルド・サザーランドもよかった。ご本人も日活時代から意識していたというバート・ランカスターの吹替も何本か担当なさっている。

縁は異なもので、その後拙作原作のTVドラマ『クルクルくりん』では、くりんの父親を演じていただくことになった。今となってはありがたいが、当時はなんだか色々申し訳ない複雑な気持ちで観ていた。僕は拳銃を持つ宍戸錠が見たかったから。

その頃は尖っててドラマはマンガとは別物と思い、内容へのコミットも、出演者やスタッフと会うことも意識的にしなかったが、何年か前に矢作俊彦さんのパーティで初めてご挨拶がかなった。お話しできて嬉しかった。

90年代の初め頃、故 薩谷和夫美術監督のご紹介で、大林宣彦作品を題材にした尾道市のイラストの仕事をしたことがある。このとき僕が描いたのは当時大林組の常連だった3人のガンマン=宍戸錠、佐藤允、内藤陳(日活、東宝、ボードビリアンと出自は違うが)が登場する架空の映画だった。そういう依頼がなかなか来ないにもかかわらず錠さんと佐藤さんは常にその日のためのガンアクションの鍛錬を欠かさないでいる、と耳にしていたからだった。

2020年1月13日月曜日

1/17ヤマザキマリさんと語るルネサンス偏愛

「ヤマザキマリさんと語るルネサンス偏愛」

1/17(金)代官山ヒルサイドプラザホール
開場18:00/開演18:30
※入場無料 先着順(定員150名)
※当日16:30より代官山ヒルサイドフォーラム「夢の実現」展受付にて整理券配布


終了後追記:結局とりも登壇するはめに(そのつもりではなかったので頭は寝癖でアホ毛立ったまま)

2020年1月10日金曜日

プリニウス第64回「フワワ」がくらげバンチで公開


ヤマザキマリ+とり・みき『プリニウス』第64話「フワワ」がくらげバンチにて無料公開されました。

プリニウス一行が旅するのはなんといまゴーン被告の逃亡先として話題のレバノン。現在の国旗にもなっているレバノン杉の森で危機が訪れます。

「水戸黄門」では稀に黄門様の杖による立ち回りが見られますが、この64話ではプリニウスが槍を手にしています。実は現存していませんがプリニウスには槍投げに関する著書があったと伝えられています。

森を守るフワワ(フンババ)のイメージは大英博物館蔵のフワワと伝えられる仮面を参考にしていますが、一筆書きの迷路みたいな表面造型はなんとなく縄文の土偶も彷彿とさせます。

2020年1月7日火曜日

プリニウス第65回「ガルバ」

「新潮」2月号発売されました。ヤマザキマリ+とり・みき『プリニウス』は第65回「ガルバ」。ネロの放蕩ぶりに業を煮やし複数の勢力が不穏な動きを見せ始めます。今回登場はヒスパニア・タラコネンシス総督ガルバ。

ガルバが決起を呼びかける属州都タラコ=現タラゴナには今も円形劇場や二段式水道橋など古代ローマ時代の遺跡が数多く残っています。

ヤマザキさん描くネロの微妙な表情も絶好調。


そして年末にUPしたこの自撮りがこのように作画に活かされました。




2020年1月1日水曜日

あけましておめでとうございます


ヤマザキマリさんとの合作『プリニウス』も連載6年目に突入しました。今年も、そして今後とも、この作品をどうぞよろしくお願い致します。