「新潮」4月号発売されました。ヤマザキマリ+とり・みき『プリニウス』は第76話「オウィディウス」。冒頭からいきなり現れたこの生物はまさかクダ......
蜂蜜漬けの半人半獣を見る誘惑に勝てなかった青年プリニウスはデートの時刻に大幅に遅刻。女心をなかなか理解できない彼は図書館でオウィディウスの詩集『恋の技法』を読んで恋愛テクニックを学ぼうとします。
オウィディウスは帝政ローマ初期の詩人で、その作品は中世まで影響を与えました。『恋の技法』は教訓詩の体裁の恋愛指南書で、一種のマニュアル本といってもそう間違いではないようです。人気詩人はやがてアウグストゥス帝の怒りを買い黒海沿岸に配流されました(プリニウスも博物誌で言及しています)。
というわけで今回はいつの時代も変わらぬ恋に不器用なオタク青年の話です。ちなみにアリストテレスなど先行文献からの引用や伝聞記事の多い『博物誌』にあって、このエジプトから運ばれたという半人半馬をプリニウスは「我々もこの眼で見た」と記しています。
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