樋口尚文さんの新刊『「昭和」の子役~もうひとつの日本映画史』(国書刊行会)
子役から昭和の映画を語るという面白い試み。子役といっても高峰秀子、長門裕之、浅丘ルリ子、石橋蓮司、砂糖蛾次郎、吉永小百合、風間杜夫、水谷豊、松坂慶子、火野正平なども含むので(確かに皆さん子役出身ですけど)ちょっとずるいという気もしますし、十代デビューとはいっても高柳良一、薬師丸ひろ子、原田知世を「子役」とは認識していなかったので虚を突かれた感じです。
とはいえ、第一部のインタビューに登場する池田秀一、春田和秀、高野浩幸、斉藤浩子、水野哲、高柳良一というメンツのセレクトはいかにも樋口さんならではで、いわゆる「子役」という出自やスタンスを積極的にセールス・ポイントにしているような人は省かれています。その分、よくある子役悲話とは違って、とてもナチュラルな、彼らの目を通した当時の現場の雰囲気や有名俳優・監督の素顔が伝わってきます。とくに僕の世代だと自分の成長とともに視聴してきた作品名がたくさん飛び出すので、その分楽しめました。
そうそう、高柳君の編集者時代の話には僕の名前もちらっと出てきます。当時はまさか自分が夢中になった番組や映画の登場人物が自分の原稿を取りに来るとは思わなかったなあ。
その高柳君と樋口さんのトークショー(9/13)もある大林宣彦映画祭が池袋新文芸坐で開催されます。9/3~9/17。※9/30のアンコール上映にも高柳君登場だそうです。
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