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2017年5月16日火曜日

日下武史さん

日下武史さんは声優としてもテレビ初期から活躍されました。一世を風靡したのは61年から64年までNET(現テレビ朝日)で放映された『アンタッチャブル』のロバート・スタック(エリオット・ネス)の吹替で、僕は一部を70年代の深夜の再放送で観ました。

長尺物では若い頃のリチャード・ハリス、そして86年の日曜洋画劇場『アマデウス』ではマーリー・エイブラハム(サリエリ)を担当。後者は話題のアカデミー賞作品でもあり、局としても番組としても力を入れた名吹替で、演出が佐藤敏夫、脚本が額田やえ子と万全、声優も端役まで実力者がそろえられていました。

主役の3人は、サリエリ=日下武史、モーツァルト=三ツ矢雄二、コンスタンツェ=宮崎美子……新劇畑のベテラン・アニメの人気若手声優・テレビドラマ出身で声の仕事未経験、という組み合わせで、とくに男性二人の対比は「サリエリにとって理解しがたい新人類のモーツァルト」という映画の内容を、吹替のキャストでも表現する形になっていました。こういう作品意図を汲んだ吹替はたいがいよい出来になります。

吹替を離れ、上京前、受験勉強をやっている頃の僕は、午後11時を過ぎるとちょっと電波が入りやすくなってくる福岡の民放FM局にダイヤルを合わせ、FM東京(当時)系列の番組をよく聴いていたのですが、なかでも日下さんの担当するハードボイルドな探偵物の朗読劇「あいつ」(のちの「マンハッタン・オプ」)が大好きでした。

朗読と少ないSEとニューヨークをイメージさせるジャズやフュージョンの音楽だけで構成されているのですが、時間帯と制限の多い聴取環境もあいまって、福岡や東京をも飛び越え、異国の都会の、それも夜の世界に僕をいざなってくれました。その脚本を描いていたのが若き矢作俊彦氏であったと知るのは、だいぶ後年のことです。

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