収録作は、他の巻も含めどれもすばらしい作品ばかりで、その中に選んでもらった江口寿史さんに感謝致します。なお、いわずもがなではありますが、とりの収録作『わが良き狼』は筒井康隆さんの同名小説のマンガ化です。
選者は全員マンガのエキスパートとして個人的にも信頼を置いている方達ばかりですが、巷間指摘が多かったように「女性選者が選ぶ少年/青年漫画」というアプローチもほしかったところではあります。選んでもらっていうのもなんですが。また、これはデザイン周りも考慮しての決定だとは思いますが、原作付きマンガは原作者の名前も出して欲しかった。筒井さんに申し訳ない。
あと、21世紀になって以降にデビューした方のよい短編を私はまとめて読んでみたかったですが(6巻目の作家たちがいちばん若いというのでは、あまりに年寄りばっかり)これはまだ各出版社の縛りが強くてまとめられなかったのか、選者任せにしたらそうなってしまっただけなのか。現在リアルタイムで活躍しているマンガ家に繋げる視点があると、もっと若い読者の関心を得られたと思うのですけど。
と立場をわきまえずアレコレいうておりますが、短編読み切りマンガが雑誌上ではめったに見られなくなりつつある現在、その魅力を伝える意義のあるアンソロジーだと思います。多くの方に手にとっていただき、課題は後続の企画に活かしてもらえれば。
0 件のコメント:
コメントを投稿
注: コメントを投稿できるのは、このブログのメンバーだけです。