本日は新宿文化センターの山下洋輔トリオ50周年記念コンサートに。濃密な3時間でした。会場には古い知り合いがあちこちに。
メンバー以外のゲストは麿赤児さん、三上寛さん、TVではもはや滅多に見られぬダークサイドのタモリさんも堪能、そしてシークレットゲストは坂本龍一さんだった。確かグラミーを取った年のピットイン以来の共演か?(そのピットインも観に行っていたがやはりシークレットでの登場だった)
洋輔さんは今回は旧メンバーをゲストとして盛り上げるような役割に徹しているようにお見受けした。皆素晴らしかったが、なかでも圧倒的だったのは森山威男さんだった。それにしてもなんと恐るべき70代s。
実は80年代の終わり頃、ある編集者氏から「洋輔さんの初期エッセイの描き下ろしマンガ化」という企画が持ち込まれたことがある。小説ならともかく、他人のエッセイのマンガ化、というのは当時にあって、いや今だって斬新な企画だが、著者の了解もいただいているという。演奏はもちろんご著作も以前から大好きだった僕は一も二もなくこの話に飛びついて、そのとき初めて客としてではなく洋輔さんにお目にかかって、FMの番組にもゲストで呼んでいただいたりした。
しかし、そもそも連載を持ちつつのマンガ描き下ろしというのは並大抵のことではなく、それ以外にも色々あって結局この企画は実現しないままお流れになった。その後も演奏会場には足を運びつつ、このときの申し訳ない気持ちというのはいまだにずっと引きずっているのだった。
これは自分の不徳を棚に上げていうのだが、山下洋輔のエッセイの面白さというのは紛れもなく洋輔さん独特のあの文体あればこそ、といまとなっては思っている。あれが途中で没企画になったのは、当時の自分にはやはり不遜であった、ということだろう。
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