訊き手のアナウンサーが選手や視聴者より感極まったり頓珍漢で過剰な麗句を並べたりしていると、それだけでせっかくの感動も減衰してしまう。ときには選手に対して失礼な場合すらあるだろう......と本日の野球中継を見てて思ったが、これが来年はしつこく繰り返されるのであろうな。自分は強固な五輪開催反対派ではないが(スポーツや五輪観戦そのものは大好きで個々の選手に限りない尊敬の念を持っているがゆえ政治をその上に置きたくないからだが、案の定噴出している現在の五輪を巡る様々な状況には憤慨している)、それでもいまからゲンナリする。
追記:そのあと引退会見を見ているわけだが、しかしこの人の受け答えは本当に面白い。マジボケも確信犯的はぐらかしも、あと訊く側の頭の悪さが瞬時に露わにされるという点でも。
会見終了後の追記:最後の「アメリカに来て“外国人"になったことで......アメリカでは僕は外国人ですから......人の心を慮ったり、人の痛みを想像したり、今までに無かった自分が現れた。本を読んだり情報を取ることは出来てもこれは体験しないと自分の中には生まれない。孤独を感じたことはあったが、この体験は未来の自分にとって支えになる、と思います」という言葉は、ふだんは直言を好まないこの人から発せられただけに、本当に重みがあった。そこまで彼が意識していたかどうかはわからないが、いまの日本や世界を巡る状況を考え合わせると、よけいに。
というわけで、ふだんはひねくれてる僕ですが、今夜は敬意を表して、彼が野球で成し遂げてきたことを素直に讃えたいと思います。
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