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2011年9月1日木曜日

滝口順平さん

8/29、滝口順平さんが亡くなられた。享年80。

TV放送黎明期、というよりラジオ時代からの大ベテラン。第一世代の声優さんは、ラジオの放送劇団(昔は放送局が劇団を持っていたのです)出身の方と新劇出身の方に大別されるが、滝口さんはTBSの放送劇団のご出身。

TV放送におけるアニメではない実写外画の吹替番組第1号は、KRT(現TBS)で1956年4月放映開始の子供向け西部劇『カウボーイ・Gメン』。主役のパット・ギャラガー(ラッセル・ハイデン)の声を生放送で担当したのが滝口氏だった。


といっても最初期の生放送吹替は1人から2,3人で男女関係なく何役もこなす、いってみれば活動写真弁士スタイルに近いもの。『カウボーイ・Gメン』では、滝口氏以外には相方のクロケット(ジャッキー・クーガン)を上田恵司氏が担当したとの資料もあるが、もちろん生放送なので音源は一切残っていない(※)。

文字通りの先駆者だったわけだが、それから亡くなる直前まで、ずっと現役第一線、しかも晩年もゴールデン枠のナレーションで活躍されたわけで、すごいとしかいいようがない。担当したアニメキャラは数知れず。


僕が滝口さんのお声を滝口さんとして最初に認識したのはNHKの人形劇「ひょっこりひょうたん島」(1964年放映開始)のライオン君だったと思う。外画では言葉は悪いが「デブ専」で、恰幅がよくコメディセンスのある役にはよく抜擢された。とくにゲルト・フレーベなどは絶品だった。

残念ながら直接お話をうかがう機会はなかったが、ベテラン諸氏へのインタビューで必ず名前が挙がるのが滝口氏だった。本番収録中、真顔で台本やリハ時にはないアドリブのギャグをあのお声で飛ばすので、吹いてしまう被害者続出。当時はリールの途中でNGを出すとまた最初から録音し直すはめになるので大迷惑である。しかし、なにせ大ベテランの悪戯なので出演者一同は文句も言えなかったという(反面、若手のアドリブには厳しかったとも)。お人柄が偲ばれるエピソードである。

ご冥福をお祈りいたします。


※63年に再放送されたときはハイデンを大平透、クーガンを藤岡琢也が担当した。

1 件のコメント:

  1.  実は私、「吹替洋画劇場」という本でクロケットことジャッキー・クーガンの吹き替えが大平透さんだという記述を観ました。1956年ので。

     また、ネットでジャッキー・クーガンは藤岡琢也さんでラッセル・ハイデンは大平透さんという記述を観ましたがこちらは1963年のカウボーイGメンでした。

     ちょっと色々混乱してしまったので、もし良ければでいいので上田恵司氏がジャッキー・クーガンの吹き替えをしていた、という資料がどのようなものか教えていただければ嬉しいなあ、なんて思います。

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