「新潮」2月号は1/7発売。ヤマザキマリ+とり・みき『プリニウス』は第74話「ムーターティオー」。コモを出発したプリニウス父子はローマをめざしますがガイウス少年には道路工事やあれやこれや初めて眼にするものばかり。
ムーターティオーとは馬の交換所です。牟田禎三ではありません。そのうち幾つかは宿(マンシオー)も兼ね、温泉の出るところもありました。
ローマの北にはボルセーナ湖、ヴィーコ湖、ブラッチアーノ湖、南にはアルバーノ湖、ネミ湖という火山起源のカルデラ湖が連なっています。イタリアで火山近くの都市というとナポリやカターニアが有名ですが、実はローマもまた南北に延びる火山地帯の直線上に位置しているわけです。あまり知られていないこの事実を端的に見せるため、また、やがて火山に轢かれていくプリニウスの未来を暗示する意味もあり、今回はローマ北方のカルデラ地帯を俯瞰で描きました。
現在ではこの地域の火山活動はほとんどありませんが、温泉地は合間合間に点在しています。写真はその一つヴィテルボのテルメ・ディ・パピ(法王の湯)。
硫黄臭の強い温泉で作者も水着着用で浸かってきました。日本だと濃い成分と熱さを求めてお湯の供給口近くに人が集まるのですけど、ここでは逆。温泉成分がこびりついた供給口近くが逆にすいていて集まるのは東洋人ばかりでした。
「新潮」2月号ですが、巻頭の筒井康隆さんの「川のほとり」が切ない。養老孟司さん、綿矢りささんの連載は最終回。黒沢清さんの講演再録もあり、読み応え記事&作品充実。
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