古代ローマに関しては、もうヤマザキマリさんは第一人者なので、ガレー船に乗った気で安心しています。
単に古代ローマの話というだけではなく 古来より地震や噴火の多いイタリアは、災害国日本との共通点が幾つもあります。また、ローマ海軍提督としてよりは、後代までヨーロッパの知識人に引用された『博物誌』を著した博物学者として名高いプリニウスは、僕の中では小松左京さんや荒俣宏さんにも重なる興味深いキャラクターです。そういう日本と古代ローマのアナロジーについても描いていければと思っています(このことはトリイカ!「スペクタクルな肩すかし」にもちょっと書きました)。
合作のやり方についてよく尋ねられますが、もともと僕は合作の多いマンガ家です。おおひなたごうさんとは交替で時事ネタ4コマを、京極夏彦さんとは2ページずつリレー方式で、ゆうきまさみさんとの『土曜ワイド殺人事件』はアイデア二人→ラフ僕→下絵ゆうきさん→ペン入れ僕というハイブリッド方式で(お互いが付け足したことに文句はいわないという了解)、唐沢なをきさんとの『とりから往復書簡』は、その名の通り往復書簡形式で……というふうに、やりかたはそれぞれで違っていますが。
『プリニウス』は、始まったばかりの作品ですから、いまの段階でメイキングをあれこれネタバラシするつもりはありません。今回はお話作りも作画も二人でやっていますので、 作品を見て「ああこの絵は」「このギャグは」と読み手のほうで色々想像してお楽しみ下さい。基本的には本編監督:ヤマザキマリ、特技監督:とり・みきという感じですが、越境もあります。
それにしても、ゆうきまさみさんとの『土ワイ』でも思ったことですが、合作というのは実は二人以外の絵が入ると合作の意味が減少するので、単独の作品よりもアシさんが使えないというジレンマがあります。手間が半分になったりはしないのです。今回もペン入れは100%二人きりで細部まで描いております。
なお、同じ号には担当編集氏による取材旅行記も写真入りで載っています。うちあわせてもいないのにヤマザキさんも僕もおそろいっぽいボーダーのシャツで写っていて「フルムーン旅行か!」と突っこまれておりました。こちらもお楽しみに。
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