今月はちょっと変わった落語の会二つに足を運んだ。
ひとつ目は7月2日北沢タウンホールで行われた「ごらく亭のお中元」。明大落研先輩の小宮孝泰さん主催の落語会で、ごらんの通り出演者は全員本職の落語家さんではない。
少し前に「黒い十人の女」を観たばかりのナイロン100℃ 松永玲子(藤乃家心斎橋)さんの高座は初めて拝見。松永さんも京都女子大の落研出身と知る。ナイロンの台本の遅さを嘆くマクラがおかしかった。
トリの松尾貴史さんの落語が玄人はだしなのは知っていたが、この夜の「はてなの茶碗」にも唸る。その前の出演者全員の寸劇では時事ネタのアドリブ頻発だったが、落語のほうはうってかわって安易なくすぐりを排除した正統派。そこに米朝一門とも立川流とも縁の深い松尾さんの真摯な落語愛を感じた。もっとも一箇所だけさすがのモノマネ芸が登場するのだが、これは書かないでおこう。
トリの松尾貴史さんの落語が玄人はだしなのは知っていたが、この夜の「はてなの茶碗」にも唸る。その前の出演者全員の寸劇では時事ネタのアドリブ頻発だったが、落語のほうはうってかわって安易なくすぐりを排除した正統派。そこに米朝一門とも立川流とも縁の深い松尾さんの真摯な落語愛を感じた。もっとも一箇所だけさすがのモノマネ芸が登場するのだが、これは書かないでおこう。
しかし幾つになっても落研の先輩と会うと緊張してしまう。僕が所属していた当時は明治の落研しか知らなかったので、先輩方の高座を当たり前のように眺めていたが、その後、別の複数の大学の落研の人の高座を見る機会があり、あらためてウチのレベルの高さを知った。だてにプロをたくさん輩出してるわけではない。
なんてOB風なことを書いているが、僕は明大落研からは早々にドロップアウトして在学中にマンガ家になったので、OBを名乗るのは本当はおこがましいのである。先年、先輩方からはそう名乗ってもよいというお許しをいただいたが、なにせ落研というのは上下関係が厳しく、今でも小宮さんの前に出ると、密かにタバコに火をつけるためのマッチやライターを準備したりするのだ(今現在、小宮さんが喫煙されてるかどうかはともかく)。ウチアゲでも三十数年ぶりにお会いする一年上の先輩がいらして、思わず正座でお酒をお注ぎしたり。
ウチアゲ終了後いつものバーに寄ったら、偶然大林組(映画のほうの)ご一行様がいて監督と熱く抱擁。まもなく新潟県で新作のロケ開始とのこと。
ウチアゲ終了後いつものバーに寄ったら、偶然大林組(映画のほうの)ご一行様がいて監督と熱く抱擁。まもなく新潟県で新作のロケ開始とのこと。
さて、その明大落研落語会が秋にあります。すごいメンツ。
もうひとつの落語会は7月17日にお江戸日本橋亭で行われた「お江戸deハナシをノベル」
「ハナシをノベル」とは月亭八天師による新作落語の会で、オリジナルのネタを書いているのはSF界・ミステリ界の錚々たる作家さん達。ネタおろしの会は定期的に大阪で開かれているのだが、これは年に一度の東京での出張版。
この日は、北野勇作『寄席の怪談』、田中啓文『残月の譜』、浅暮三文『ぴゅうするる』の三題。お江戸の会はネタ下ろしではなく再演なので演出も練られているようだ。いずれもいかにもそれぞれの作者らしい噺で面白かったのだが、いちばん感心したのは、全然違う方向性の三つの噺をそれぞれに合ったベストの演り方で演じる八天さんの懐の深さ。『残月の譜』では横笛まで披露。しかしまさかあの曲が奏でられるとは……。
幕間に作家の人達が出てきてグダグダな話をするのがこの会のもうひとつの楽しみ。しかし今回も本当にまったくもってグダグダしていた。
終了後は直帰のつもりだったが、帰路、中川いさみから電話。さる女の子バンドのライヴのウチアゲ中だという(どういうことだ)。行くとなんだか美女率が高い。一人が誕生日間近なので何か一曲ということになり、その場にあったギターを僕が弾いて中川が『帰れない二人』を歌う。いきなりにしてはまあまあだった。
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