昨日からの繋がりで、その名もずばり『昭和の東京』(ビジネス社)というタイトルの本をご紹介。路上観察学会のコアメンバーによる新刊です。
所収されているのは、昭和の終わり頃に行われた路上観察の初期調査の集大成。懐かしのあの名物件がてんこ盛りで、活動初期の関連書籍や雑誌は今ではなかなか手に入らないので「路上観察ってナニ?」という方は、これを買えば一目瞭然という仕組みになっている。
過去の街の痕跡を「芸術として発見する」のが路上観察であったわけですが、20年以上も経つと、さすがに消滅してしまっている物件も多い。さらに物件の周りの当時はなんでもなかった風景も今となっては懐かしく、いわば物件化しつつある。同じ写真だが時を経て今の時点の眼で見ると新たな芸術的発見が加わるのですね。
路上観察というのはけっしてノスタルジーではなかったんですが、そういう意味で昔よりはその要素が強くなっているかもしれません。写真は変わらないが、写真の持つ意味が微妙に変わっている。メンバーのあとがきにも、そういう想いが強く漂っているような気がします。
追記 ここで内容の一部が見られます。
0 件のコメント:
コメントを投稿
注: コメントを投稿できるのは、このブログのメンバーだけです。