『石神伝説』は、日本各地の「石」にまつわる伝説や古代史を題材にした伝奇作品で、かつて文藝春秋が出していたマンガ雑誌「月刊コミックビンゴ」に1996年7月号から1999年5月号まで連載されました。残念ながら話半ばで掲載誌が休刊となり、未完のまま3巻目が暫定の最終巻となっています。
こうした場合、連載マンガはたいがい無理矢理まとめて終わらせることが多いのですが、作者としては連載再開の一縷の望みをかけて、あえて話を「引く」形で、中途半端に終わらせています。
以後、既に20年が経過。この間、直接、間接、また近年はSNSなどで「続きを描け」とのお声がけをたくさんいただきました。描く気が失せたわけではなかったのですが、連載は作者の希望だけで決まるものではありません。再開に向けて動いてくださった方もいましたが、ついぞ掲載場所を得られなかったのは、作者の力不足というほかありません。
舞台が90年代末の日本で当時の時事ネタも含むので、再開すれば旧作の再構成は必然となり、それもあってここまで復刊や電書化は行わずに来ましたが、ここまで時間が経つと作品のタイトル自体が眼に触れる機会も少なくなってしまいます。また(ありがたいことですが)現行の連載作品もあり、いまはそれに注力しているので、仮に再開があるとしても実現するのは当分先になりそうです。
以上を踏まえ、作品としては未完のままでお恥ずかしい限りですが、とりあえず20世紀の終わり頃にこういうマンガがあり、一応待機中なのだ、という細やかな記録のために、今回既刊分をオリジナルの形のまま電書化することに踏み切りました。ご了承ください。
0 件のコメント:
コメントを投稿
注: コメントを投稿できるのは、このブログのメンバーだけです。