since2008. 2017年からはtorimiki.comにUPしたBLOG, NEW RELEASE & BAND情報を時間差で時系列順にアーカイヴしています

2020年5月28日木曜日

ナンシーちゃん

新版が出るというので中学生の時に買った立風書房版『ナンシーちゃん』を引っ張り出してきた。

"ラブリーまんが"のキャプションといい、バックの水彩イラストといい『小さな恋のものがたり』(同じ立風書房)の大ヒットへの便乗が今見ると少し露骨。アーニー・ブッシュミラーの描線は硬質で幾何学的なので、この水彩イラストはたぶん日本側で別人が描いたものですよね?(キャラもちょっと怪しい)

しかし中身は好きでした。『リトル・キング』のオットー・ソグローといい、当時の自分はこういう定規で引いたような線が好きだったんだなあとあらためて。理詰め体質もあるが、フリーハンドの味わい深い線がとても自分には引けなかったんで逆に走ったということもあるのでしょうね。

自分の初期ギャグマンガの背景も、だから硬質で直線的。定規を使いロットリングで引いてる。

ところで新版のナンシーの作者(女性)が6代目というのにちょっと驚き。アメリカのマンガはタイトル至上主義で描き手が随時変わっていくのはもちろん承知してましたが、アメコミだけでなく新聞マンガでもそういうケースはあるんですね。

2020年5月22日金曜日

文藝別冊「総特集 星野之宣」発売


文藝別冊「総特集 星野之宣」が発売されました。

新保信長・穴沢優子両氏による編集はいつもながら痒いところに手の届く内容になっております。星野+諸星合作のグダグダ感がすばらしい。


星野之宣論(もしくは星野・諸星比較論)的なテキストは潮文庫版『宗像教授伝奇考』の解説で一度書いていますので、今回とりはマンガ『遠くへいきたい』特別伝奇篇を描きました。

2020年5月21日木曜日

映画秘宝7月号 永久保存版 大林宣彦映画入門に 寄稿

双葉社に引っ越した「映画秘宝」7月号が発売されました。特集は訃報を受けて「大林宣彦映画入門」。秘宝らしいこだわりの内容です。執筆は町山智浩、宇多丸、大槻ケンヂ、高柳良一、中江有里、鴻上尚史、犬童一心、小中和哉、今関あきよし、井口昇、行定勲、柳下毅一郎、三留まゆみ、樋口尚文、モルモット吉田の各氏。

とりも『天国にいちばん近い島』での監督との出会いを書いています。(『天国』に関しては昨年刊の「フィルムメーカーズ/大林宣彦」(樋口尚文・編)にも書いていますので、機会があれば併せてお読みください。

さらに「哀悼・藤原啓治」特集では麻宮騎亜、森川智之、岩波美和、神武団四郎、湯浅政明、堺三保、Siringoの各氏が執筆。とりは「映画訃報」のページで久米明さんの追悼記事を書いています。

同号ではイタリア・ジャッロ(ジャッロとは黄色=パルプ・フィクション的な意味で、転じてエロ・グロ・ホラージャンルの映画)映画の巨匠マリオ・バーヴァの特集も。偶然なのか意図したものか聞いてませんが、こういうところが秘宝らしい。というのも大林監督は変名でマリオ・バーヴァからとった「馬場毬男」を使っており、遺作『海辺の映画館』の主人公名にもなっているからです。

2020年5月20日水曜日

復刻版 ウロン文学選集『へろ』+『ふるむまかをめら』2冊セット

「復刻版 ウロン文学選集(『へろ』+『ふるむまかをめら』2冊セット)」が届きました。

なんのこっちゃわからんという方も多いかと思われますが、この2冊は吾妻ひでおさんの『不条理日記/SF大会編』に登場する架空のSF文学です。架空の筈なのになぜ現存するかはリンク先の解説をお読みください。

全体として冗談であるにもかかわらず限定数復刻ということでかなりお高い値段設定になっておりますが、新規にお買い求めになる方はそのシャレをご理解の上ご購入されますよう(後からお怒りになっても私は知りません)。

とり・みきは旧月報1のテキスト(復刻)と新月報3のひらみっとくらめ像(描き下ろし)を寄稿しております。

2020年5月8日金曜日

星座の話

自宅待機中に(といってもデータ入稿のマンガ家の生活はあまり以前と変わらないのですが)毎日少しずつ仕事部屋の片づけをしていたら、子供の頃最初に読んだ天文学の本が出てきました。

野尻抱影『星座の話』(偕成社)がそれで初版は昭和29年、家にあったのは34年の7版。もちろん父親が購入した物ですが、その後もロングセラーとなった名著。全ての漢字に読み仮名が振ってあるのですが、文体と内容は子供向けというわけでもありません。天体物理学へもギリシア神話への興味もわく、文・理どちらへのゲイトウェイにもなっていたと思います。

といいつつ中身の詳細はすっかり忘れていたのですが、あらためて記述を読むと三つ子の魂なんとやら......。


ヤマザキさんの声かけで始まった『プリニウス』ですが、これを描くことになったのは必然のようにも思えます。

プリニウス第68話「パルミュラ」がくらげバンチで公開

ヤマザキマリ+とり・みき『プリニウス』第68話「パルミュラ」がくらげバンチで無料公開されました。プリニウス一行はついにシルクロードの要衝パルミュラへ到着します。そこで彼らが見たものは......
さまざまな国の人々、さまざまな貿易品
そしてさまざまな神々と怪物......